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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
「花は要らんかね~」
 男がふいに声を上げた。
「花を貰おう」
「へえ、ありがとうございます」
 花売りがゆっくりと近づき、背にしょった籠を下ろす。それを手伝ってやりながら、男が嬉しげに言った。
「随分とたくさんの花があるな。これは、小手毬か?」
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