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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
「お、奥さま?」
 流石に彼の貌が引きつった。千種ははらはらしながら傍で二人のやりとりを見守っている。幾ら何でも、奥さま呼ばわりでは、彼も気を悪くしたのではないか。
 が、男は次の瞬間、嬉しげに笑った。
「そうか? そなたには千種と私が夫婦(めおと)に見えるというか」
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