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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第12章 逢瀬と初夜の真実
いきなり褥に押し倒され、千種はハッとして眼を見開き我に返った。
「こんなことがあるなぞ、まだ信じられぬ。夢を見ているようだ。側妾としてでも傍に置きたかった。どうでも欲しかったそなたが我が妻だったとは、何という幸運だろう」
首筋に温かい唇が触れる。それを合図とするかのように降るような口づけが首筋に落ちた。刹那、千種は総毛立った。
男! 良人が私の身体に触れている。その事実が信じられず、受け容れられない。