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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第22章 涙の旅立ち
「たとえ姫さまが誰の妻になろうと、俺は生涯、我が心の妻はあなただけだと思っています。だから、心を強く持って鎌倉に行って下さい」
 惟章の真摯な瞳に、それ以上の我が儘は言えなかった。幾ら願おうとも、乳兄弟である彼と主筋の姫である自分が添い遂げられる可能性はない。しかも、我が身はもう三年も前に結婚の決まった許婚(いいなずけ)がいるのだから。
「待ってるわ。何があっても生命を無駄にせず、鎌倉で生きて見せるから。だから、惟章も必ず逢いにきてね」
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