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第31章 新婚生活（？）

　「桜井くん…びっくりしたと思うけれど…あの…つまり、あの人がそういう人なの…ごめんなさい…」
　「ああ…びっくりした。したけれど…どうなんだ…今は…し、幸せ…なのか？」

　すでに華との間で関係を持って、そして新婚夫婦のような生活に興じていた私には、その後ろめたさと、何やら不思議な余裕のような感覚があり、比較的落ち着いた反応を示すことができた。
　本心とは程遠かったが、相手を慮るそぶりも出来た。

　華がいなければ、こうはならなかっただろう。もっと激しく妻をなじり、そして男にも襲い掛かっていったかも知れない。

　「えぇ…？そう…そうね。桜井くんには悪いけれども…」
　「そうか……。なら、よかった…とまでは言えないが……。誰、なんだ？」
　「もう隠していても仕方ないわね…柚子の担任の先生なの。」
　「き、教師かよっ！？しかも、柚子の担任！？」
　
　それは別の意味で私を驚かせた。聖職者、などという言葉は今更信じてはいないが、それにしてもモラルハザードも甚だしい。
　そんな男に柚子は教えを受けているのか。

　「大丈夫…なのか？そんな男に…」
　「そんな男とか…言わないでよ…。確かに、いけないことをしているけれど。」

　それ以上の追及は無意味だろう。
　いろんな意味で緩い、というか懐の広いところは彼女の良さでもあったのだ。