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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第32章 帰還
永遠にも思えた時間にも、終わりは訪れる。
外がうっすらと明るさをたたえ始める時分には、柚子も男たちも精魂尽き果て、部屋の中は死屍累々といった趣きでいくつもの裸体が横たわっていた。
千鶴と清隆はすでに場所を変えて二人の時間を持ち始めたのか、いつの間にか部屋からは消えている。
それからさらに数時間がたち、全員が意識を失ったように倒れこんでいる静寂の中、柚子は一人目を覚ました。
外はすっかりと明るくなっており、チュンチュンと、時折スズメが鳴く音が聞こえる。
まだ夏の余韻を残す沖縄の気候とはいえ、朝の空気は冷え込み、柚子は小さくくしゃみをした。
体は思うように動かなかったが、ひと眠りした分意識ははっきりしていた。
ああ…朝だ。もう今日は帰らなくっちゃいけないんだなぁ。あの居場所のないおうちに。
柚子はずっとここに居たいと望んだわけではない。しかし、完全に孤立してしまったあの家の中にも自分の居場所はなかった。
帰ったところで姉が優しくしてくれることは金輪際ないだろうし、そして姉に支配されしまったかのように見える父も、また味方になってくれるようには思えない。
そう考えると、ここで行われたことがどれだけ酷い仕打ちであっても、自分を求めてくれる人たちがいるという分だけマシに思える。