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第32章 帰還

　つまり、あの冷静でいかにも生真面目といった風に見えた男も、他の男たちに混ざり柚子を楽しみ、そして柚子の中に精を放ったということだ。

　「ええと。それでは…」

　トラの男、つまり運転手の高梨は、左手で柚子の左乳房を絞るようにギュッとつかむ。
　絞られることで、柚子の小さな乳首は突出した。

　手のひらサイズのその器具は、乳首を挟みこんで握りこむことで、針が乳首を貫通する仕組みになっている。
　少し大きめのホチキスといったところだろうか。

　高梨は器具で乳首を正確に挟み込み、もうあとちょっと力を入れれば完了するという状態で周囲を見渡した。

　「では、本当に行きますよ。」
　「やっ！やだあっ！やめっ！！ホントにやめてーーっ！やーっ！やめてーーーーっ！」
　
　すでに針の先は柚子の乳首に触れていた。そのチクリとする軽い痛みは柚子を恐怖させ、その拒絶は本物である。

　男たちのギラギラした視線に見守られながら、高梨の右手に力がこもる。

　そして。

　ガチッ！！

　「やぁあああああーーーーっ！！ぎゃぁああああっ！」


　ついに器具は力強く握りこまれた。