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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第33章 平穏と、それから危機


[12月1日] 風景:オフィス


 柚子が沖縄から戻ってから1週間が経ち、12月になった。
 世間は徐々にクリスマスに向けた空気へ変わり始めていたが、桜井家の空気は停滞している。

 娘と父の関係は相変わらずであるし、言葉の交わされることのない姉と妹の関係もまた変わっていない。

 そんな中、異変が最初に訪れたのは父のもとである。

 「部長、明日のプレゼン用の資料、サーバーに入れておきました。レビューしていただいてよろしいですか?」
 「おっ、篠田さん早いな。ありがとう。後で見とく。今はちょっと待ってな。」

 そんな会話が、彼の数m先のところで交わされている。
 部長にそう話しかけていた篠田と呼ばれたのは彼の同期の女性である。

 女性は優秀な技術者ではあったが、取り立てて美人というわけでもなく、むしろカアチャン然とした容姿と立ち居振る舞い。
 10代の恋人を持つ父にとって全く女性として見る意識はなかった。

 しかし。

 あれ?なんだ?…今日は少し彼女が可愛く見える…ような気がする。

 それが異変の始まりだった。
 ふるふると頭を振って目をこすり、もう一度確かめる。

 おかしい、やっぱりなにかおかしい

 彼がもう少し近寄って確かめようかと、ゆっくりと立ち上がったところで

 ぐわぁああん・・・

 と目の前の世界は歪み、そこで、彼は突然倒れた。
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