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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第33章 平穏と、それから危機
 「なんか、かなり熱あるのに元気、っていうか良くしゃべるねw」
 「さっきロキソニン飲んだから、これでもかなり熱が下がってるんだ。」

 そう言うと父は、よいしょ、と言いながら体を起こした。

 「あ、ちょっと無理しないで寝てて。お腹は?すいてる?おかゆかなんか作ろうか?」
 「ああ。今はちょっと食欲あるんだ。頼んでいいかな。」

 実のところは、薬の効いているうちに、食べたり飲んだりしておかないと熱が上がってきたらそんな気力もなくなってしまうかもしれない。今ならちょっと無理すれば食事くらいはできそうだ、というのが父の本音であった。

 「あい。じゃあちょっとまっててね。」

 娘は台所に立つと、米をとぎ始めた。
 父と、自分の分だけの分量を量って、炊飯器に仕掛ける。
 柚子の分はその中に入っていない。

 「ふう…」

 食事の準備をする度に、その分量から嫌でも柚子のことを思い出す。  
 口も利かずに、顔も合わせずに、というのは父と柚子の浮気が発覚してからずっと続いていることではあったが、最近はそれに加えて柚子自身の帰りが遅い。

 沖縄で、柚子になにがあったかを全て目の当たりにしてしまったあとでは、遅い帰りは嫌な想像にしか結びつかない。
 それはすでに華の心配事の一つであったが、さらに父が病床に臥せったことで、華にも心労のような疲れがじんわりと広がり始めていた。

 「まったく、お父さんがこんなことになってるのに…心配かけやがってぇ…」

 華は独り言をつぶやきながら、おかゆができるまでの間を食卓で待った。
 
  
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