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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第33章 平穏と、それから危機
 「ええ…あんた、何言ってるの?全然わかんないよ…」
 「まあわかるわけないよ。でもさ、気づいてる?お姉ちゃん達だって、虐待している側なんだよ?」

 「それ、どういう意味よ…」

 華は自分がちららという女性に柚子を売り渡したような格好になったことを言っているのかと想像した。
 だがそれは柚子自身の裏切りが招いたことだ。自業自得じゃないの、とも思いかける。

 しかし柚子の言った意味はそんなことではなかった。

 「ネグレクト、って言うんだよ。」
 「なに、それ…」

 「ママもだけど、お姉ちゃん達は自分たちだけ仲良くして、それで私をほったらかしでしょ。そういうの、ネグレクトって言って立派な虐待なんだってさ。」
 「お、お金は毎日置いてある…」

 「…お姉ちゃん、それ、本気で言ってるの?」

 それまで少し笑い気味だった柚子の表情は、突然険しくなった。

 「も、いいや…お休み。」
 
 そのまま柚子はリビングを出て自分の部屋に戻っていった。

 しまったぁ…言ってはいけないセリフを…

 と、そんな後悔は後の祭りである。


 華と柚子はまた少し、二人の間の溝を深く広いものとしてしまったようだ。




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