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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第37章 追い詰められていく。
[12月8日(月)] 風景:可美村のマンション
可美村の、真知子にもっと良い生活をさせてやりたい、との思いは本心である。
実際のところ、二つの所帯を支えられるだけの収入は彼にはなかったし、それ故にそれまで地味でストイックな生活を続けることで、そこそこ不自由しない程度の生活を維持してきた。
しかし真知子が生活に加わったことで、すぐに生活費には影響が出た。
二人の暮らしについて真知子が文句を言うことはただの一度もなかったが、彼女のそれまでの人生から考えれば、間違いなく最底辺の生活であろうことは想像がつく。
一方、パートに出ると言い出したのは真知子自らであったが、それは自分の生活レベルが落ちたことに対する不平ではなく、純粋に可美村の困窮を見かねてのことであった。
それが伝わってくるから、可美村は涙が滲むほどに真知子を不憫に思ってしまうのだ。涙が滲むほどに、というのは決して誇張した表現ではない。
貧しいながらも、愛に満ち溢れた生活、と言えば聞こえはいいのかもしれないが(実際、真知子のほうは未だそんな感覚で日々を過ごしている)、現実はそう甘いものではない。年末も押し迫ったこの時期になってくると、それは忘年会の会費どころか暖房の灯油の購入にすら躊躇を覚えるレベルにまで達していた。