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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第37章 追い詰められていく。
 妄想であるのをいいことに、悪に徹した妄想をしてみると、意外にも感情はざわつかない。完全に悪党と割り切って事に臨むと、羞恥も屈辱も感じないのである。

 ナンパ目的であれば女性に声をかけづらいが、仕事であれば躊躇なく声をかけることができる。彼は学生時代のアルバイトを思い出しながら、そんな感覚にも似ているなと理解した。

 「こうやって人は悪に堕ちていくのかもしれないね。」

 声に出して言ったその一言で決意を固め、彼は実際にそれを実行した。


 こうして今、彼の手元には7枚の紙幣が握られたのである。
 
 真知子の夫は明らかな怒りを見せていたが、悪党に徹すればそれすらもむしろ心地よく感じた。相手に対して悪いという思いもなかった。

 「これで最後だなんて言ってましたけれど、しばらくは定期的に援助していただきたいですね。」

 7人の福沢諭吉に向かって語りかけた後、彼はそれを丁寧に揃えて財布にしまいこんだ。

 
 そして彼は次のイベントを待つ。

 「さて、そろそろだね。今日は忙しいな。桜井さんのところとは、いろいろ長い付き合いになりそうだよ、真知子。」

 次のイベントとは、華の来訪である。
 今日も真知子はパートに出ている。そしてそこへ桜井華がやってくる。


 その後の展開はすでに決まっていた。

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