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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第39章 事態を収拾するには勇気が必要だ。いろんな勇気が。
 タバコを吸うのは初めてじゃなかった。一度だけ、遊びでヨウコと試したことがあるのだ。
 そのときはゲホゲホと咳込んで、なにがいいのかまるで分んなかったけど、今回は咳込むことはなかった。

 煙を吸い込んだところで、頭が少しクラっとして、そのあとすーっと頭の中の霧が晴れるように意識が明瞭になる感じがした。

 「こら!…未成年がタバコなんて止めなさい。」
 「今更あんたが分別くさいこと言ったって、説得力ないのよ。」

 私は無視して二口目を吸う。
 頭は再びクラっとしたけど、一口目のような霧が晴れるような感じはもうほとんどなかった。

 「それにしたって、体に良くない。」
 
 ハゲは顔をしかめながら言う。すこし幻滅したのかもしれない。いい気味だ。
 でも私ももう三口目はいらないと思ったから、黙ってタバコを突き返した。

 「まったく…真知子クンは不良にでもなるつもりか。」
 「あんたのおもちゃにされて、グレちゃうのかもね。どうよ、人の人生狂わせた気分は。」

 問い詰めるように言ってみても、その表情はいつものように薄笑いの張り付いた余裕の表情だ。

 「そういうつもりはないんだけどね。」
 「嘘。わたしたちが壊れていくのを見て楽しんでるのはわかってる。」
 「うーん。そういう部分、あるかなあ。」

 腹の立つことに、完全否定もしないし取り繕う様子も見せない。
 
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