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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第39章 事態を収拾するには勇気が必要だ。いろんな勇気が。
 篠田穂波は私の同期の女性である。

 3人の子供を産んで、昔の姿から見る影もないぽっちゃり体型となってしまってはいたが、いまだに最前線で開発のエンジニアを続ける優秀な女性だ。
 管理職のラインに乗ってしまった私には、そんな彼女が時々うらやましく思える。

 「ほっほー?そういう流れなんだ。けど桜井くんも偉くなっちゃったから、あんまり考えるクセがなくなってきたんじゃないの?」
 「なに?そんなことあるものか…少なくとも仕事は…」

 「言い方がよくなかったかな。即決、即断。桜井くんのとこに判断が回ってくるころにはもう時間もなくなっているし、手下どもがいろいろ考えてくれたあとでしょ。君は頭の回転も早いから、材料さえ揃ってれば短い時間で正しい判断ができる。大きくは外さない。」

 「・・・・」
 「だから、逆に長い時間をかけて一つのことを考えることをしなくなってきてるんだよ。」
 「へえ、桜井さん、そうなんですか?」

 なんだか部下と同期から立て続けにダメだしをされたようで、それ以上の言葉は苦痛だった。
 だが、彼女らのいうことはいちいち正しい。今の自分を客観的に見れば、正面から向き合ってしっかりと考えることを止めているのが事実だ。

 そして、私は柚子との体の交わりに、柚子の与えてくれるいたわりに逃げている。

 「昔はみんなで徹夜で議論とかもしたでしょう?」

 「思い悩んでいるだけで…それを考えていると思い込んでる……そうなのかもしれないな…」
 「Keep you burning.」



 そんな昼間の会話を受けて、私はこうして日記をつけながら作戦を考える。
 しかしまだ、良い作戦と思えるようなアイデアは出てこない。

 ナイフなど馬鹿げている。使った時点で終わりだ。その先には今よりもっとひどい状況になる末路しかない。

 「武器ったって、そういうことじゃないっしょwww」

 そんな山田の笑い声が聞こえた気がした。


 しかしそれでも、今のところ武器と呼べそうなものは他に見当たらなかった。

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