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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第39章 事態を収拾するには勇気が必要だ。いろんな勇気が。

 「可美村先生、私は全部話しました。これでもう私たちを許してください。お願いします!」
 「うっ!?ちょっ、ちょっと…桜井さん、それはやめてください。それは……それは、だめだ。」

 徹は可美村の足元まですり寄り、再び頭を床にこすりつけた。 
 誠心誠意の言葉と共に、土下座をされるということは、それなりに人の心を揺さぶる効果がある。
 

 誠意を見せる、なんて舐めていたけれど…これは意外と効果的だ…人の持つ本質的な善良さを狙い撃ちしてくるんだ…

 ある意味卑怯だ、と可美村は感じた。このままその感情を受け入れてしまえば、攻撃の手が萎えてしまうことは確実だった。


 可美村は徹のとった行動にうろたえたが、しかし彼はそれを乗り越える方法を知っている。
 以前、妄想の中でしてみたこと、つまり悪に徹しきった人間を演ずることである。

 「ふううぅむっ。」

 可美村はことさらに大きなため息をつくと、徹から少し離れた場所に動いて浅く腰掛けなおした。

 「やめましょうよ。桜井さん。そんなことをしてみたって、何も変わりません。」

 可美村はそう言うとポケットからタバコを取り出し、火をつける。
 狭い部屋の中にはあっという間にタバコの煙が充満した。

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