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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第39章 事態を収拾するには勇気が必要だ。いろんな勇気が。
 「単に頭を下げているだけじゃない。こうやって、私は心の内も全部さらけ出しています…お願いです。どうしたら許してくれますか。」

 「どうしたらって、どうもこうもないです。今まで通りでいいじゃないですか。」


 まだか…ここまでしても…ここまでしてもダメかっ…

 徹は心の中で歯噛みする。

 「もう、こうなったら…あれを使うしかない……だが…それは賭けだ。失敗すれば、すべてが水の泡…ではすまないかもしれない。」

 しかしそれでも、ここで終わりにするわけにはいかなかった。
 徹はガバと上半身を起こすと、上着の内ポケットに手を入れた。

 「おっと!!」

 可美村の動きは素早かった。
 あっという間に徹に近づくと、その右手を抑えてしまう。

 「だめ、だめだよ桜井さん…さっきからその辺りをやけに気にしているのは気づいてたんだ。大方、ナイフかなんか入っているんだろう!?だがそんなことをしようとしても無駄だ。不意でも突かない限り、私をあんたが刺すのは無理だ。」

 過去の遺産とはいえ、一度格闘技の体の動かし方を覚えた者の動きは、全くの未経験者とは比較にならない。
 彼の言うことは正しかっただろう。

 だが。

 「せ、先生…ナイフ…ナイフだなんてそんな。私はそんなものを出そうとはしていません。」
  
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