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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第39章 事態を収拾するには勇気が必要だ。いろんな勇気が。
 「どうっ…だか…」
 可美村は握りしめた手にさらに力を込めた。

 
 「いっ、イタイイタイ…そ、そんな…お疑いなら…そのまま抑えていて結構ですから…ゆっくり出します。」
 「・・・・・」

 可美村は警戒しながら力を緩めず、徹の手をそっと手前に引いた。
 ゆっくりとポケットから出てくる徹の手の先に掴まれていたものは、ただの茶色い封筒だった。

 「ほら…ほら。誤解、誤解です。」
 「どういうことですか。」

 可美村は手を放すとまた徹から距離をとり、ソファに腰かけなおし、灰皿の火を消した。

 徹は封筒をテーブルの上に乗せる。

 「今日は、本当にこれで許してもらうために来たのです。ですから、これが最後ということで、まずはお渡ししてからもう一度お話しようかと…」

 つまり、今回で最後にして欲しいからまとまった金を渡す。そういうことなのだろう。
 しかしそれにしては封筒は薄い。
 小切手か何かか?だとすると相当な額が期待できる。

 そう、可美村は思い、しかしまだ手は伸ばさない。

 「桜井さん…そういう問題じゃないと、思うんですけれどね。…けどまあ、折角ですから。まずは受け取りましょう。」

 思わずほころびそうになる表情を抑えて、可美村は封筒に手に取ると、口を広げて中を覗き込む。

 その可美村の表情を、ひざまずいたままの徹は息を呑んで見つめていた。

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