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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第42章 2014 2 2015


[12月31日](水) 風景:路上


 2014年もついに大晦日を迎え、可美村はそば屋で購入した年越しそばを手に提げて家路についていた。
 すでに夜は更け、住宅地の細い通りに人気はない。

 街灯も少ない暗い路地は、彼の心の中を映し出しているようでもある。

 「どうしたの?そんなに難しい顔しちゃって。」

 昼間、そう問いかけてきた真知子の顔が頭によぎる。

 彼が最近、ふとした拍子に暗い表情を見せるのは、金銭面での不安によるものである。
 桜井徹からの副収入を得られなくなってしまったことにより、可美村家の財政は窮地に至っていたのだ。

 年末といえばボーナスのシーズンではあるが、彼のボーナスは妻と息子の住む家のローンにほとんど消えてしまい、残った額も妻の口座に入ってしまうのである。

 「またお金の心配してるのかな?」

 笑顔を絶やさないままに、目を覗きこんでくる真知子の無邪気さが、最近の可美村にとってはストレスである。
 お金の苦労を知らずに育ってきた彼女に、今のような苦しい生活を強いている自分が情けなく、そしてそれに文句ひとつ言わない真知子の姿が、また心苦しかった。
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