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第42章 ２０１４　２　２０１５

　跳ね飛ばされ、空中を飛んでいることを自覚しながら、可美村は思う。

　「跳ね飛ばされたときの痛みは、意外にも大したことがない。このまま、受け身を取れれば、悪くても骨折で済むか…」

　だが、現実それほど甘くなかった。

　彼の飛ばされた先には運悪く電柱が立っており、彼はそこへ激しく叩きつけられてしまったのである。

　そこで全身に響くバキバキという音を、彼は聞いた。
　視界は完全に真っ白になり、痛みはレベルを超えてただの痺れのように感じられた。

　「やばぃっ！これはっ！…し、死んだ！」

　その意識を最後に、彼は気を失い道路へと落ちた。


　可美村を跳ね飛ばしたトラックは一瞬躊躇するかのように速度を落としたが、次の瞬間にはまた加速し、あっという間に走り去ってしまった。

　路地にはピクリとも動かない可美村の体と静寂だけが残された。