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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第42章 2014 2 2015
[1月7日](水) 風景:桜井家リビング
「おっ、お姉ちゃん!!大変だ!」
柚子は学校から帰ってくるなり、リビングでソファにかけてテレビを見ている華のところへ駆け寄った。
「なによ、そんな血相変えて。」
「死んだ!可美村星矢!」
「・・・・は?」
柚子の言葉は単刀直入であったが、突然それを突きつけられても華にはなんのことだか理解ができない。
「交通事故だって…大晦日の晩に……先生、亡くなったって…今日始業式で。」
「ええっ…うそぉ…」
事実を理解しても、まだ華はどういう表情をしていいかわからなかった。
そしてそれは柚子も同様で、無表情なままで二人は見つめあっていた。
「なにが…あったの…」
「なんかね、スーパーマルトモの近くの細い道あるでしょ?あそこではねられたんだって。車は逃げちゃって、犯人わかってないみたい。」
「ひき…逃げ…」
「そう。」
そこに、可美村が幼い女の子を救ったが故に命を落としたという情報は含まれていなかった。
目の前で惨劇を目撃してしまった女の子は、それを誰にも話すことがなかったのである。
犯人は逃げ、目撃者は口を閉ざした。
可美村の事故の真実は誰にも知られることのないまま、闇に葬られてしまった。