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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第42章 2014 2 2015
 「じゃ…ママは…」
 「どうなっちゃう…ていうか、どうなってるんだろう…」

 華は涙を拭くのも忘れて、スマホを取り出した。

 しかし電話をしても電源が切れているというメッセージが冷たく帰ってくるだけであった。
 
 「ラインも…既読、つかないねえ。」
 「行って、みようか…私場所わかるし…」

 二人はそのまま家を出て、可美村のマンションに向かう。

 「お姉ちゃん…先生のこと…好きになっちゃってたの?」

 道中、柚子は姉に問いかけた。

 「わかんないよ……でもなんか涙が勝手に出てきて止まらなかった……殺したいって、思ったことだってあるのにね。」
 「そうなんだ。」
 「好きにはなってない…と思う。けど思い出すと、またちょっと涙出そうになるなぁ…」
 「…よくわかんないなぁ…」
 
 そんな話をしている間も、華の目はまだ赤く染まっている。
 二人の会話はそこで途絶えて、あとは目的地を目指してひたすら歩き続けた。

 「着いた。けど…もう誰も住んでない感じだね…」

 既にその部屋に人の住む気配はなく、紙に丁寧な字で書かれていた表札も、今は下がっていなかった。

 「お姉ちゃん、ここに通ってたんだ。」
 「そうなんだよね…ついこないだの事なのに、なんか夢の一部みたい……空き家になっちゃって…」
 「……」

 いずれにしても、これで母の足跡は完全に途絶えてしまったことになる。
 しばらくそこでぼんやりと佇んでいた二人だったが、やがてなす術もなくその場を離れた。
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