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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第43章 新しい形の未来が見える
 「ん?私?まあちょっと妬けるけどね…私は大丈夫だよ。ほら、これがあるから。」
 
 華は左手をかざして見せた。
 薬指にはまった父から贈られた指輪が、蛍光灯の下でキラリと光る。

 やだ、とつぶやいて母は口を押えた。

 「だからさ、お母さんにはこれからちょっと酷い事を言うことになるけど、わかってほしいな。」
 「……な、何を?」
 
 恐る恐るというように、母は華の顔をうかがった。 
 いつしか、現況は第4ラウンドへ突入し始めている。

 華の心の中には、どこか意地悪な、暗い感情が渦を巻いていた。だから発せられる言葉は自然と辛辣になる。

 
 「うん…お父さんのね、お嫁さんはもう私だってことを、お母さんにもわかってもらいたいなってこと。もうお母さん行くところないし、ずっとここにいるでしょ?だったら、そこははっきりさせておきたいの。」

 「華…」
 「私はまだお父さんから赤ちゃん貰えてないけどさ。でもすぐに二人に追いつくつもりだからね。」

 父は女たちの会話に耳をそばだてながら、聞こえないふりをして洗い物を続けた。
 少しでも長く時間を稼ごうとしているのか、その動きは緩慢である。

 華は母や妹に対抗心を燃やしているようだが、その熱に自分は応えることができるだろうか、と、いつにない弱気が父の中で顔をのぞかせた。
 
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