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第43章 新しい形の未来が見える

　自分は昨日知ったばかりの事実だけれど、華のほうはもうそれをずっと前から知っていて、それを抱えたまま今日まで来ていたわけだ。

　華が本気で私を愛してくれているのは十分理解している。なら柚子の妊娠という事実はひどく彼女を傷つけ続けていたに違いないということも自明ではないか。　


　「…まあ柚子のほうには？華とあなたを取り合ってるみたいな感情はないみたいだけど、華のほうは微妙よね。昨日の感じだと…ね。」

　「そうなんだな。柚子と華と一緒に住んでるってことについては、これからどうしようかって、ずっと悩んでいるんだが……今んとこ解決策はない…」
　「そんなところに、私が帰ってきちゃって、ますます複雑なことになっちゃったわね…」

　正直それはその通りなのだが、そこでまた悲しそうにうつむいてしまう姿を見れば、そんなことは言えない。

　あいつ…ちゃんと幸せにしてやってくれって言ったのにな、と、もう居なくなってしまった男を恨めしく思う。


　「なあ、今こんなことを聞くのはあれだけど…この半年、幸せだったか？」