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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第1章 降りてきた影は解放への予兆
 彼氏だった彼。あんなに好きだったのに。

 もちろん、彼は何も悪くない。

 変わってしまったのは私のほうだ。

 初めてのバイト料でプレゼントを買ってくれたときの彼の照れくさそうな笑顔や、バレンタインデーにチョコを送ったときの嬉しそうな笑顔。
 一瞬の間に次から次へと、彼との良い思い出が頭をめぐる。

 でもそれらの全てが既に思い出の領域にいて。

 申し訳なさのような、何かを失った悲しみのような、いろいろな気持ちがないまぜになった心を抱えて、突然と泣き崩れ始めた私にお父さんは狼狽した。

 「ぅわ、ごめん、ごめん華。もちろん好きだ、好きだよ…照れくさくて言えなかっただk…」

 「ちがうよぅばか。」

 最後まで言えずに馬鹿と被せられて、もはや、お父さんはどうしていいかわからなくなってしまったようだ。

 あるいは私がお母さんのことで泣いていると思ったかもしれない。

 でも、違ったんですよ、お父さん。
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