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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第50章 == あとがき ==
・書けるかカタルシス

 エロ小説において、カタルシスとは濡れ場に他ならない。

 そう思ってました。

 別にそれは間違いではないというか、当たり前のことです。
 微妙な距離感で何度も近づいたり離れたりしながら、ついに結合、なんて展開こそ、エロ小説においての王道カタルシスであり、そこに行き着くためにお話を書いていくようなものだと、そういうことです。

 だから、それ以外のカタルシスなど、不要。
 そういう態度でいたのです。

 とこ、ろが。

 可美村を悪役に仕立ててしばらくたったころ、読者の方からコメントをもらいました。

 初のシリアス展開、父はどう乗り切るのか、と。

 しまった、なんて迂闊な!そう衝撃を受けたのを覚えています。


 たとえ自分が、これはエロ小説なんだから、濡れ場以外のカタルシスなど不要、と思っていても、悪役をしっかりと書き込んでしまえば、それを叩くカタルシスが期待されることは当然でした。
 これも、いわば読者との間の暗黙の契約にあたります。

 しかし、そんなことを微塵も気づいてなかった私は、彼を普通に事故で退場させるつもりでいたのでした。
 振り返れば、華をレイプしたマサキに関しても、近い形で手軽に処理してしまっていました。

 今回はそれではいけない、と猛省し、そこから新たな展開を必死で考え始めたのでした。

 幸い、環境要素はまだ整理していませんでしたから、展開を追加するだけの場は残されていました。
 ただ、そこまであまりキャラを立ててこず、場に流されるような行動しかとってこなかった父、そしていかにも暴力的な解決は話の空気にも合わない、と、勝ち方に関しては相当悩みました。

 絞り出した結論が、ああいう形だったのです。

 カタルシスを高めるために、一部ミスリードの仕込みを入れるなど、これまで考えたこともなかったことを色々と考えたのでした。

 もっとも、それはそれでいつもの感じとは違った楽しさがありました。
 話を持っていくために、2章分くらいは話が追加されたと思います。
 


 結果、読者の皆様はカタルシスを感じていただけたのでしょうか。


 当時の記録を見ると、通常の平均拍手数の倍くらいの拍手をいただいていますから、まずまずの結果だったかな、と私は勝手に思っています。

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