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第51章 【番外編】　中学生妊婦の憂鬱 (1)

　「では桜井柚子、退学にでもしますか？」
　「いやあ…それは…」

　「退学にできるだけの理由は揃っていますけれども。」

　「しかし…可美村先生の一件からまだそれほど日もたっていない。１年に二つも大きな事件が起きれば…それも同じクラスからっていうことになります。正直、うわさの影響が怖いですよね。」


　「それと、本人の成績の件もありますね。前回の統一テストの結果、全国13位です。」
　「え、なにそれ。彼女、そんなに頭よかったんですか。」

　教師たちの間では、結論の決着を見ることは出来そうになかった。
　ひとしきり意見の出尽くしたところで、全員の目がそれまで一言も発せず様子見を決め込んでいた教頭に集中する。

　「教頭先生、どうされますか。」

　「そうですね…ここは……もう学年末も近いことですし、次回のクラス替えを配慮するという形で穏便に済ませてもらうことにしましょうか。まあ、最後は校長・理事長の判断が要りますが。」


　そんな形で、桜井柚子に対する学校の態度は決着した。