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第52章 【番外編】　中学生妊婦の憂鬱 (2)

　榊と柚子のやり取りを、男子たちもエイコも固唾を飲んで見守る。


　「……どういう…意味よ…」
　
　薄々その意味を感じ取りながら、柚子は探るような上目遣いで榊の表情を窺った。

　「そ…そのままの意味だ…全部、脱げって…言ってんだよ。」
　「！？い、いやぁあぁぁーー！！だめぇーーっ」

　エイコは涙を流しながら叫んだ。しかし、またしてもその叫びは誰にも届かない。

　「……」
　
　柚子は沈黙したまま、グッと榊を睨みつけていた。

　「んだよ…そ、そんな顔したって許してやろうってことにはなんねーんだかんな。」
　「桜井よう、自分で脱げねえんだったら、手伝ってやろうかぁｗ」

　ハハハハと、柚子を囲む男子たちが嘲笑した。

　そして、一度深く息を吸い込んだ後、覚悟を決めて柚子は口を開いた。

　「…自分で……脱ぐわよ。」

　これ以上抵抗すると、自分はもとよりエイコもひどい目に合うかもしれない。
　そんな思いから出た言葉であったが、適当に言うことを聞いてみたところで、こうなってしまうともう何もなしには終われないだろうという予感もあった。


　せめてエイコだけは守らなきゃ。


　それが柚子の決意である。