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第52章 【番外編】　中学生妊婦の憂鬱 (2)

　「は、はは…カナタ、お前いくら何でも早すぎ…」
　「だ、だってよ…こんなん…はっ、初めてだしっ！」

　顔面を覆いつくすようにへばりついたゼリー状が、重力に負けてズルリと流れ落ちる。
　柚子の乳房や腹にボタボタとそれは落ち、白い斑点が作られていった。

　「…ザーメンは…大人と変わんないな…熱くて…クサぃ…」

　目の周りについた精液だけを指で拭って、柚子はその感触を確かめた。
　
　「そ、それにしても…桜井は冷静だな…こんなの、慣れっこだってことかよ…」
　「そうなんかな…そうなんだろうな……やっぱやべぇ奴だったんだな…桜井…」

　その指摘は間違ってもいなかったし、反応してみたところで意味もない。
　男子たちの会話を聞き流しながら、その時柚子の考えていたことは,、まるでどこかのエースパイロットの如きである。

　「よし、まず1本……最初に勝手に暴発したキーチも引いたら、残りあと5本…」
　「…けどこいつら、一回で満足してくれるかな…若いし無理か……。お願い…エイコ…早く、早くね…」
　
　そんな祈るような気持ちも、柚子の中にはあったが、男子たちのギラつくまなざしに囲まれていると、祈りが届く可能性も信じられなくなってくる。