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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第21章 レッツゴー覚悟
 「おねーちゃん、ほら、とーます。これもとーます。」

 どこかのガキが絵本を持って私にじゃれついてくる。
 普段だったら優しく相手をするところだったのだろうけど、そんなオチビさんの無邪気な態度すら受け止める余裕は私にはなくって、

 「ちがうでしょ。トーマスはこいつだけ。これはゴードン。こっちはパーシー。これがバージルで、これがアランよ。そっちの二人はパーカーとペネローペ。さ、わかったらもうあっち行って。」

そうやって、半分以上デタラメを教えて追い払ってしまった。

 その子はどうやら診察を受けているお母さんを待っていたようで、退屈だったのだろう。しかし私に冷たくあしらわれてしまい、向かいの席に半べその表情で一人で座ると、それきりほかの大人へもじゃれつくことはなかった。

 ちょっと可哀そうなことしたかな、っと思ったその矢先、診察室のドアが開き、診察を終えた柚子が現れる。そして私はその子供のことなどすぐに忘れてしまった。

 柚子は無表情のまま、トコトコと私のほうに寄って来ると、隣に座った。

 「…どう、だった?」
 「うん。なんかね。おめでとうございますって言われたよ。」
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