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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第28章 桜井柚子。オンステージ。
 柚子は身をすくめて抗議したが、そんなことでひるむような輩はここにはいない。

 「触らないでって言われましてもねえ。この賞品とったのは私なんでして。」

 スパイダーマンはそう言って札を見せつけた。そこには、「最初のお触り5分」と書かれていた。

 誰が与えた権利だというのか。

 いずれにしてもそれまで行われていたビンゴ大会の賞品とやらがどんなものであるのか、柚子には想像がつき始めた。

 「うっ、嘘でしょ、そ、そんなちょ、ちょっと…や、やめっ…」

 男の手がうなじから少しづつ降りてきて、浴衣の上から柚子の体をイヤラシく撫でまわしていく。それは本来、柚子の全身を愛撫するはずだった掌とは全く違うものである。
 だがそれでも、優しくさするようにうなじから背、そして尻へとその手が流れていくと、早くも柚子の体には変化が起こり始めた。少しづつ、全身を支える足の力が抜けていくのがわかる。

 「やめっ…て…やぁっ…」

 見知らぬ男に全身をいやらしく撫で回され、さらに衆人監視されるそのシチュエーションは、もとより柚子の得意とする妄想の一つである。清隆とのことがなければ、この状況に柚子の心はあっさりと堕ちていたに違いない。

 だが、わずか1日程度の出来事とはいえ、正しい恋愛感情を知ってしまったあとでは、今の状況と柚子の望んだ一夜の間には大きな「ズレ」が出来ていた。
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