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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第29章 人形とさして変わらないわたし
 「ここはね、まだ本家の庭なんだけど、ホントの道路にそって歩くと遠回りだから、近所の人たちが勝手にここを歩いていくんだ。本家の人たちもおおらかだから別にそれを咎めもしない。」

 清隆が聞かれてもいないのに勝手に解説をする。

 つまり、ここはプライベートな敷地であっても、普通に人が往来する場所であるということになる。
 それはまさしく柚子の妄想した状況に近くはあったが、しかし現実となった場合はどうなるのか。

 道行く人たちが、私を見てどう思うのか、どうするのか…本当に私のことを…いや、それよりおまわりさんに見つかったら捕まっちゃうんじゃないかしら。

 柚子のそんな思いは、しかし声にはならなかった。

 聞くだけ無駄、言うだけ無駄、心配するだけ無駄。
 無ー駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!

 …なんにせよこの人たちが辞めようと言い出すはずもない。

 木の下の日陰スペースに敷かれた3畳ほどのブルーシートの上に、柚子は黙って座り込むと、もう考えるのをやめた。

 「さて、じゃあ準備を始めましょうか。まずは杭打ちからですね。」

 柚子を囲むようにして周りに立つ男たちが、準備を始める。
 準備が進む傍らで、柚子にも最後の加工が加えられていった。

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