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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第29章 人形とさして変わらないわたし
 男たちは木の看板をブルーシートの前に立てていた。

 そこには例の達筆で「公衆肉便所 柚子(高性能!)~ どなたでもご自由にお使いください」と書かれている。
 説明されるまでもなかったが、要するにこれからここを通る人たちが、柚子をどう扱うのかはその人たち次第なのだ、と、そういう話である。

 看板の下にはトレーが置かれ、その中に沢山の玩具が並べられている。それを使うも使わないも、またその人たち次第ということなのであろう。


 そして最初に通りかかったのは労働者風の、泥だらけの作業着に身を包み、赤黒く日に焼けた50代ほどに見える男であった。

 「おっ、まぁた綾辻んとこが好き放題やっとるのぉっ!」

 昼食を済ませた直後なのか、男はつまようじをくわえた口からシーシーと音をさせ、パンチパーマの頭をくしゃくしゃとかきむしった。男は一度看板に目をやって確認をすると、柚子に話しかける。

 「ふうん。んで、お嬢ちゃんまたずいぶん若ぇが、本当に使っていいんか?ワシ結構たまっとるんで?」
 
 そう言われても、ギャグボールを噛まされた状態ではムゴンゴと呻くのがせいぜいである。

 「はは。そら答えれへんわなぁ。よいしょっと。どれ、もうちょっとよく見せてみい。」
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