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傾国の寵愛~初恋は熱く淫らにひそやかに~
第6章 恋人の秘密
「約束の印にこれを」
 突如として差し出されたのは小さな宝石箱だった。百合の花につがいの蝶が螺鈿細工で蓋に施されている。
「素敵」
 やはり年頃の少女である、涙も乾かないのに眼をきらきらさせて覗き込むソナをハンは愛しげに見つめた。
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