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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第1章 ―美荻野凛々香の日常―
止める間もなく、瑠偉人が錠剤を一粒、口に放り込む。
「瑠偉人、待って!」
「ハハハ、もう飲んじまった。確か、一、二分で効き目が出るんだよな……」
「もう! どうしてそんな……」
「言っただろ? マンネリ防止って。新しい刺激が欲しくない? きっと、すごく興奮すると思うぜ……」
「ああ……どうしよう……どうすればいいの……?」
「いいんだよ。週末だぜ? 勤務時間外は仕事を忘れて楽しまないと……」
そう言っているうちに、瑠偉人の体が透けはじめる。いや、正確には皮膚と体毛が周りの情景に合わせて変色していっているのだ。
捜査官とはいえ、透明化の場面を目の当たりにすることは少ない。基本的に事件発生後の捜査が主だからだ。こうして目の前で透明化されると、やはり驚くより他はない。
それほど見事なカモフラージュだった。瑠偉人はみるみるうちに姿を消し、凛々香の前にはバスローブが宙に浮いているだけとなる。そしてそのバスローブが突然、宙を飛び――
「あっ……」
瑠偉人が飛んだのではなく、投げ捨てられただけだと気づいた時には、ソファの上には瑠偉人はいなくなっていた。突き出した凛々香の手が空中を虚しく彷徨う。
「瑠偉人……どこ? どこに行ったの? 返事をして!」
「フフ……ここだよ。凛々香の綺麗なお尻を見ている」
背後から声がした。
「瑠偉人、待って!」
「ハハハ、もう飲んじまった。確か、一、二分で効き目が出るんだよな……」
「もう! どうしてそんな……」
「言っただろ? マンネリ防止って。新しい刺激が欲しくない? きっと、すごく興奮すると思うぜ……」
「ああ……どうしよう……どうすればいいの……?」
「いいんだよ。週末だぜ? 勤務時間外は仕事を忘れて楽しまないと……」
そう言っているうちに、瑠偉人の体が透けはじめる。いや、正確には皮膚と体毛が周りの情景に合わせて変色していっているのだ。
捜査官とはいえ、透明化の場面を目の当たりにすることは少ない。基本的に事件発生後の捜査が主だからだ。こうして目の前で透明化されると、やはり驚くより他はない。
それほど見事なカモフラージュだった。瑠偉人はみるみるうちに姿を消し、凛々香の前にはバスローブが宙に浮いているだけとなる。そしてそのバスローブが突然、宙を飛び――
「あっ……」
瑠偉人が飛んだのではなく、投げ捨てられただけだと気づいた時には、ソファの上には瑠偉人はいなくなっていた。突き出した凛々香の手が空中を虚しく彷徨う。
「瑠偉人……どこ? どこに行ったの? 返事をして!」
「フフ……ここだよ。凛々香の綺麗なお尻を見ている」
背後から声がした。