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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第2章 ―多賀瑠偉人の非日常―
 春名の手に力が籠る。亀頭をすっぽりと収めて転がしながら、滲むカウパー液を塗り拡げる。

「ああっ……くっ……か、はっ……」
「言ってよ! あの人の名前を! もう春名のモノじゃなくなるんなら……あの人のことを想いながらイッてみせてよ! それぐらいしてくれてもいいでしょう、お兄ちゃん!」

「あ、あああ……ああっ……」

(凛々香……)

 瑠偉人の脳裏に浮かぶ凛々香の眩い笑顔。瑠偉人を映す邪気のない真っ直ぐな瞳。ふっくらとした唇。

――ねえ、年上のオンナってどう思う? 嫌い?

 告白して来たのは凛々香のほうからだった。平静を保って、少し冗談めかして。後で聞いたが、心臓が爆発しそうなほどドキドキしていたらしい。照れながらそう白状したときの凛々香のはにかんだ愛らしい顔。

(凛々香……凛々香……)

「ああっ……凛々香!」

「そうよ! お兄ちゃんはその人のモノ! 私のモノじゃなくなったの!」
 春名が叫んで瑠偉人を扱き立てる。その激しさに全ての想いを込めて、そしてささやかな復讐として。

「凛々香……ああっ……許してくれ……凛々香っ……凛々香、凛々香……ああっ、あああああ……ああっ!」

 春名の手の中で、瑠偉人の肉茎が脈動し、罪業の熱液が吐き出される。

 びゅぐっ……どぷっ……ぶぴゅう!

「あ、あああ……凛々香……」

 瑠偉人の頬にも、一本の筋が光っていた。

「ごめんね……お兄ちゃん。春名、いけないことだってわかってるよ……でも、愛しているの……どうしようもないの……」
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