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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第3章 ―都議・酒倉の非常識―
 凛々香が担当しているのは、酒倉の指示で行われたとされるサブリミナル選挙活動に関する捜査だった。

 サブリミナル効果。意識することのできない一瞬の映像や隠された図案を連続して見せられると、人の潜在意識は、それに強い影響を受ける。特に性的なシンボルは強い印象を残すため、卑猥な図案や文字を巧みに紛れ込ませるというのは、広告のチラシやTV番組、そして選挙ポスターなどに応用されたこともある手法だ。

 しかし、先ごろの選挙で彼がしたのは、前代未聞の破廉恥なサブリミナル効果の応用だった。

 酒倉はなんと、女子高生の選挙ボランティアたちに透明ドラッグを飲ませ、全裸で選挙演説の場に立たせたのだ。

 彼女たちは演説する酒倉の周りで、その裸身を背景に溶け込ませ、しなを作ってただ立っていただけ。しかし聴衆は目の前に見えている、「見えない」裸の少女たちを強く潜在意識に残し、結果として、酒倉は異常な圧倒的得票率で当選を果たした。

 その因果関係の是非はともかく、違法である透明ドラックの所持と、未成年への服用、そして猥褻物陳列……それは凛々香たち透明犯罪捜査課の受け持ちだ。すでに秘書とボランティア女子高生たちの供述はとれている。現在、超高解像度分析にかけている実際の街頭演説を撮影した映像の鑑識結果が出れば、令状も下りるはずだった。

「ほな、もう、ええでっか? ワシも暇やないんや! 凛々香ちゃん、都議の時間はアンタらの何倍も貴重なんやで? わかっとんのかいな! あんまりしつこく邪魔するようやと、どういこうとになるか……おっとっと! これ以上はよう言わんわ!」

 脅迫ギリギリの物言いに凛々香の片眉が跳ね上がったのを見て、ニヤニヤしたままわざとらしく口をつぐむ。

「……ま、仕事を探さなアカンときはウチでいつでも秘書に雇ったるで安心しや!」
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