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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第3章 ―都議・酒倉の非常識―
「話というのは、捜査二課についてなんだがね……」
「透明犯罪捜査二課……ですか!」
課長の言葉に凛々香は小さな驚きの声を上げた。その様子を見て課長がニコリと微笑む。
「そうだよ。かねてから君も要望していた、透明ドラッグがどうして世に出回ることになったのか、その出所を明らかにするための捜査チーム。それを二課として新たに立ち上げる」
「凄い! 上申が通ったんですね……」
「うむ……まあ、必要だということは元々上もそう思っていたことだからね。透明犯罪も年々増加する一方だし、他国での発生件数の低さから見て、明らかに我が国由来のドラッグだ。いつまでも謎の薬と座視するわけにいかんということなのだろう。君も言っていた通り、問題の根絶には不可欠な事だ」
これまで、凛々香たちは発生した透明犯罪を捜査し、犯人や売人を捕らえてきた。だが、それは結局対処療法でしかない。
透明人間を生み出す透明ドラッグ。それがいつ、どのようにして開発され、世に出回るようになったのか? そして今なお蔓延する錠剤は誰がどうやって供給しているのか? その謎を解明しないかぎり、社会にはびこる透明人間という病巣は取り除かれることないのだ。
「ついては美荻野君、君をその二課の捜査官として推薦しようと思うが、どうだね?」
「……はい、もちろん喜んで!」
凛々香は顔を輝かせて返事をした。
「そうか、ではそうしよう。辞令は数日で出るはずだ。一応、二課の設立の発表が公になるまで、皆にはまだ口外しないでくれたまえ」
「はい。心得ております」
「課長はしばらく、私が兼任ということになるらしい。君以外のメンバーもまだ決めていないのだが、追い追い増員していけると思う。公安との連携など忙しくなると思うが、よろしく頼む」
忙しくなる、と言われて凛々香は今の担当事件についてどうなるのかと思い当たった。
「あの……担当はどうなりますか? 大きなものは酒倉都議のサブリミナル事件だけですが、それはこのまま受け持たせてもらえるのでしょうか?」
「うん……それなんだがね」
課長の表情が微妙に強張った。
「透明犯罪捜査二課……ですか!」
課長の言葉に凛々香は小さな驚きの声を上げた。その様子を見て課長がニコリと微笑む。
「そうだよ。かねてから君も要望していた、透明ドラッグがどうして世に出回ることになったのか、その出所を明らかにするための捜査チーム。それを二課として新たに立ち上げる」
「凄い! 上申が通ったんですね……」
「うむ……まあ、必要だということは元々上もそう思っていたことだからね。透明犯罪も年々増加する一方だし、他国での発生件数の低さから見て、明らかに我が国由来のドラッグだ。いつまでも謎の薬と座視するわけにいかんということなのだろう。君も言っていた通り、問題の根絶には不可欠な事だ」
これまで、凛々香たちは発生した透明犯罪を捜査し、犯人や売人を捕らえてきた。だが、それは結局対処療法でしかない。
透明人間を生み出す透明ドラッグ。それがいつ、どのようにして開発され、世に出回るようになったのか? そして今なお蔓延する錠剤は誰がどうやって供給しているのか? その謎を解明しないかぎり、社会にはびこる透明人間という病巣は取り除かれることないのだ。
「ついては美荻野君、君をその二課の捜査官として推薦しようと思うが、どうだね?」
「……はい、もちろん喜んで!」
凛々香は顔を輝かせて返事をした。
「そうか、ではそうしよう。辞令は数日で出るはずだ。一応、二課の設立の発表が公になるまで、皆にはまだ口外しないでくれたまえ」
「はい。心得ております」
「課長はしばらく、私が兼任ということになるらしい。君以外のメンバーもまだ決めていないのだが、追い追い増員していけると思う。公安との連携など忙しくなると思うが、よろしく頼む」
忙しくなる、と言われて凛々香は今の担当事件についてどうなるのかと思い当たった。
「あの……担当はどうなりますか? 大きなものは酒倉都議のサブリミナル事件だけですが、それはこのまま受け持たせてもらえるのでしょうか?」
「うん……それなんだがね」
課長の表情が微妙に強張った。