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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第3章 ―都議・酒倉の非常識―
    ※    ※    ※

(それに……瑠偉人。電話も繋がらないし、絶対おかしいわ……)

 シャワーを浴びながら、凛々香の胸にもうひとつの心配事が去来する。

 課長室に行く前に見た深刻そうな表情。あんな顔をした瑠偉人は見たことがない。いつも爽やかな笑顔を倒さず、どちらかというと他人が困っていたり悩んでいたりするのに気づいて声をかけるのが瑠偉人だ。

 それだけではない。週末、二人で過ごした夜の、透明ドラッグを飲まされてした愛の営み。あの荒々しさ、強引さは、いつも優しく抱いてくれる瑠偉人とは違っていた。確かに、それは新鮮だったし、凛々香もいつも以上に感じてしまったことは認めるが。

(あんなことまでされて……)

 ツ……と、尻の谷間に流れ落ちた水滴の感触に、初めて恋人に許したアナルへの愛撫が思い出され、羞恥心が甦る。

(知らなかったわ……お尻の穴を触られるのがあんなに気持ちいいなんて)

 指だけであんなに快感があるのなら、話に聞くアナルセックスは一体どれほどの刺激があるのだろうか。

(……って、何考えてるの! いやらしい! ダメよ! 私も少しおかしくなってる……)

 でも。

 なだらかなヒップにボディソープを伸ばしながら、ふ、と凛々香の指がふたつの丘に挟まれた、お尻の中央に滑り落ちる。

 く、ちゅ……

 自分で触れても、やはりそこは気持ちが良かった。

「あ……」

 思わず声が出る。
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