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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第1章 ―美荻野凛々香の日常―
 瑠偉人は呑み込んだ生唾の音が周りの同僚たちの耳に入らなかったかと冷や汗をかく。たっぷりとしたボリューミーな凛々香の乳房は、この季節、嫌でも目を惹く。男にとっては目の毒を通り越してもはや目に暴力だ。

 しかし、当の本人は瑠偉人のそんな内心には一切気づいた様子もない。

「……冗談よ! ゴメン、ゴメン!」

 凛々香はそう言ってカラカラ笑うと、立ち上がって自分の意見を述べ始めた。

「……私は、CMラストで犯罪が成立してそのまま終わっている所に問題があると思います。例えばカラーボールが投げつけられるなど、失敗を暗示、ないし明示するべきかと。それから、犯行のリプレイシーンに全裸姿を使うというのは、いくらモザイク処理があるといっても、過激すぎではないでしょうか。確かに犯行中、犯人は全裸ですし、透明なままでは何をしている所か伝りにくいのでしょうけど……アニメーションか何かで犯人の姿を表現することもできるのではないでしょうか。それから……」

 さすがは捜査課のスターティングメンバー、淀みなく述べられる的を射た意見の数々に、課長も頷きながらメモを取る。瑠偉人は上の空で、そんな凛々香を眺めていた。

 男にとって目を奪われる凛々香の身体の部分は、その美巨乳だけではない。くびれたウェスト、形良く張り出したヒップ。そしてそこからスラリと伸びた脚。どこをとっても男心を惑わすそのボディが、実際、その期待を裏切らないということを瑠偉人は知っている。

 何故なら、二人は恋人同士だったから。付き合ってもう一年近くになるが、それでもまだ凛々香の魅惑的な肉体は、瑠偉人を虜にし続けているのだった。
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