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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第5章 ―美荻野凛々香の非日常―
(え……ここ? ここって……)

 瑠偉人に連れられてやってきた取調室前。ふいに扉が開き、中から人が現れた。それは透明犯罪課の同僚だった。凛々香が酒倉事件の引き継ぎをした新しい担当者である。

(じゃあ、中にいるのはもしかして……)

 グイ、と強く手を引かれて室内に引きずり込まれる。

 取調べ用の小さなデスクの前の太った体。思った通り、そこにいたのは都議の酒倉だった。

(瑠偉人……何考えてるの! よりによって酒倉の居る部屋なんかに……)

 そうは思っても口には出せない。声を出せば気づかれてしまう。幸い、酒倉はふたりの気配に気づいた様子もなく、眼鏡を外してハンケチで満面の汗をぬぐっている所だった。

「クソぼけが……ええかげんにせいっちゅうんや……この暑い中何度も何度も呼び出しおってからに! ほんでクドクド同じことを何遍も……喉カラカラやっちゅうねん! それになんや、担当もショボイ若造に変えよって……あのボインボインの姉ちゃんはどこに行ってまったんや!」

 ボインボインの姉ちゃん、とは自分のことか? 酒倉の一人言を耳にして凛々香はつい状況を忘れる。

(では、二課への配属は……担当を外されたのは彼の圧力ではなかったのかしら?)

 と、他事に気を取られた瞬間、瑠偉人が強く乳房に指を食い込ませ、凛々香は思わず声を上げてしまいそうになる。

(ふあうっ……アアンッ! 駄目っ……いやよ、瑠偉人……ここじゃダメ……この男の前じゃ、イヤ……)

 抗うが、物音を立てることが恐くてあまり激しくは抵抗できない。その間にもスルスルと瑠偉人の手が凛々香の股間へと滑り込んでゆく。

(やめてっ……いやっ……いや、いやっ! アアン……瑠偉人……お願い)

 くちゅくちゅと肉唇を割る指先の淫猥な動き。クリトリスを探り当てるた瑠偉人が、凛々香の淫液を塗りつけるようにして肉芽の先をこね回す。

(ヤッ……そ、そんなにしちゃ……声っ……声、出ちゃう……アッ……ウゥ)
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