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透明犯罪捜査官 美荻野凛々香の非日常
第5章 ―美荻野凛々香の非日常―
「ヒヒッ……ええ締めつけやないの……それに絡み付いてくるようなヒダ……ミミズ千匹ちゅうんやないの? おっぱいだけの女やあらへんな、自分!」

「う、嘘……酒倉!」

「知りまへんなあ! ワシは行きずりの透明人間でっせ! 名前なんぞありまへんわ!」

 ミチミチと音を立てて、肉棒が凛々香の胎内をかき回す。そのいやらしい動き。瑠偉人とはまったく違う腰使い!

「やっ……やめて! 放して!」

 凛々香は身をもぎ放そうとするが、強い力で抱き寄せられ叶わない。密着するだらしなく肥満した太鼓腹の感触、たるんだ胸の肉、薄ら気色悪い縮れた胸毛……あきらかに瑠偉人のものではない見知らぬ男の体。

「や……嫌ぁぁぁぁぁっ! 瑠偉人っ……瑠偉人どこっ!」

「恋人の兄ちゃんなら、呼んでも無駄でっせ……アンタ、可哀そーになあ……裏切られたんや。ホンマ、薄情な男やで……」

「嘘よ! 瑠偉人は……瑠偉人はそんな!」

「おおっと! ええんでっか、大きな声なんか出して……アンタ、自分が何してんのかわかってまんの?」

 男の……いや、名乗りこそしなかったが、間違いなく酒倉だ。その酒倉の言う通りだった。白昼、自分は何をしていたのだ。叫ぶのはいい、助けも呼べるだろう。人は周りにいっぱいいる。しかも警察の前だ。中には警察官がいっぱいいる。だが、自分は……何をしていてこうなったのだ? 助けてもらった後、何と説明できるだろう。

 凛々香から抵抗の気配が失われる。

「う、うう……」

「ヒ……ヒヒ。聞き分けのいいこっちゃ……ほな、いっしょに楽しもうかいのう!」

 酒倉がグッと腰を引いて、勢いよく太い物を突き入れる。

「ウクゥッ……くぁんっ!」
「ええのうっ! ええ声や! 喘ぎ顔も切なくて色っぽいでえ!」
「えっ……」

 姿は見えないはずではないのか。
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