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君は僕のものだった
第1章 君は僕のものだった
「あの頃はなにも思わなかったけど。コ汚い恋愛だったのかなぁ。あ、そうだ!告白します!わたし、学校のトイレでヤッたこともあります!車の中は日常でした!へへっ・・・。わたしがここまでだって、知らなかったでしょ」


 うらやましくてたまらなかったよ。
 つまりね・・・。
 好きだとか大事だとか君しかいないとか。
 そんなことを、ぼくは、腕の中にいる君に、言ったかもしれないでもそれは。
 君に向けて言ったことじゃ、なかったんだよ。


「なんだかんだで、ドノーマルだったもんね、わたしたち。変わったことと言えば、ハメ撮りと顔射と、あと、ええとー。あ、中出し?まぁべつに普通かぁ。そうだ、この子妊娠するまえにさぁ、パパと、なんつったかなぁ、あの、乱交するやつ。行ってきたんだ!いやー、あれはすごいよ。妊娠することがなければハマッてたろうなー。・・・え?あぁ、パパさぁ、わたしがほかの男に抱かれてんの見るのが一番興奮するんだってさ。あはは!ヘンタイだよねぇ」


 あれは、ぼくがぼく自身に言ってたことだったんだ。


「わたしも・・・もうね、楽しければいいかなぁーって思えるようになってさ。むかしのことも、パパの実家のことも、うちのことも・・・。考えても仕方ないことは考えたくないし、それにね・・・・」


 ぼくは、ぼくに愛されている君が、うらやましかった。
 だから、ぼくは、君になりたかったんだ。


「ちいさいときから染み込んじゃってるからかなぁ。男の手、っていうか、カラダっていうか・・・。バカみたいな話だけどね。笑わないで聞いて。わたしね、ほんとにね、エッチしないと、生きてるか、分からないの」


 君に触れたら、君がぼくに感じてるのを見たら、君と繋がったら、ぼくは、そのときだけ、君になれたような気がしたんだ。


「さっき言った乱交のやつでさぁ、汚いオヤジとヤッたワケよ。いっぱい。頭も真っ白からだも真っ白になってさぁ、でも頭の片隅には子供の顔も浮かんでんの。なにしてんだろうって後悔もあんの。でもね、その、その・・・。めちゃくちゃイキまくって動けないような、そんなときだけね、わたしは、あぁ、生きて、息吸ってんだなぁって、思えたんだ」


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