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君は僕のものだった
第1章 君は僕のものだった
 そしてね。
 あの男の行動を知ってて許していた、君のお母さんに対するぼくの気持ちも・・・わかるだろ?


「あの子達にだけは、絶対こんな思いをしてほしくない。絶対させないって、思える」


 ずっと小さい頃からぼくを散々いたぶって、なじって、辱めて、犯した、あの女に対するぼくの気持ちだよ。


「だから・・・どうにか、いまも、生きてる。息が苦しくなったりするけど、生きてんの。汚いからさ、わたしって。汚いことをやめたところで綺麗になることは絶対ないんだけどさ。でも、今は、それでもいいかなぁーって思えてるよ、ほんと。だから、わたしのせいで自分を責めたりしないでね」


 ほら、こんなふうに、今でもぼくを庇おうとする、むかしと変わらない君なら、わかってくれるだろ?


「わたしね、ほんとにね、誰よりも幸せになって欲しいって思ってる。辛い思いとか、孤独な思いとかして欲しくない。だから、早く結婚するか彼女見つけるかして、幸せになってよ」


 ぼくが10歳のとき、風呂場でぼくのからだの上に乗ったあの女の、くさった乳房とかさ。
 あの女の、もじゃもじゃした真っ黒な陰毛の奥から垂れ落ちた、ぼくのからだから出た、白いえきたいとかさ。


「お願いだよ・・・お母さんももういなくなって、わたしたち2人しかいないんだよ。わたしには、家族がもういないの。そりゃ、パパも子供たちもいるけど、でも、違うから・・・わたしの家族は、わたしの家族はずっと・・・」



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