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君は僕のものだった
第1章 君は僕のものだった
 あの晩のずっとあとで、ぼくの家族になった、君のそんざいとか。


「って、シケた話はやめましょう!とかエラソーに語ってるわたしが一番シケた話してるよね。あー、やめやめ!こんなペースじゃ昼までに絶対終わらないよー。ほら、手ぇ止まってる!クイックリーにいこう、クイックリーに!」


 ねぇ、君は知らなかったよね。
 あの女は、君のお母さんは、君さえ、ぼくから奪おうとしたんだ。
 勝手に、自分の、不安とか恋とか性欲とか寂しさとか、そんなもののためにあの男に君を差し出して。

 
「ほらほら、さっさと詰めて!なんならこういう整理するプロに任せたほうがよくない?お母さん地味に貯金あったんでしょ?ならさぁ、ケチらずに・・・え?」


 ぼくが怒るのは当然のことだったのに、ぼくがあの男にした仕打ちの当てつけのように、あの男がぼくを恐れて出て行ったあと、これみよがしにぼくの前で泣いて寝込んで見せて。
 愛情を装った悪意でぼくを縛り付けて、あの男と一緒になってからでさえぼくを支配しようとした、ぼくが逃げようとすると今度は君を鎖にしてぼくを縛り付けた、あの強欲な女をさ。



「・・・母になったわたしに会いたかったって。それ・・・マジ?」


 ぼくを養子にして、女手一つで育ててくれた、苦労ばかりだったあの女を。


「ちゃんと母できてんのか心配してたって・・・えぇぇー!やだー。照れるじゃん!やだ、マジ今すっごい家族っぽい!暖かい!やばい!なきそう!」


 ときどき、ふっとしたときに見せる、母親らしい、ふつうの、愛みたいな、愛に似た、なんていうんだろう。
 気まぐれ、みたいなのを思い出さずにいれるようにさ。


「やだ・・・ほんとうに、ごめん、あー。だめだ。いけません!妊婦を無意味に泣かせてはいけません!ほら、さっさと終わらせようよー!うちのパパさぁ、子供らみれんの半日が限界だから、早く帰ってあげないと3人で泣き出すかもしれないからさぁ、あはは・・・」


 あの男がぼくにしたのと同じように、腹のあたりにさ、包丁を突き立ててやろうと、本気で思ってたんだ。

 ほら、あの晩。
 君がぼくの子を妊娠したって気付いた、18歳の、あの日。
 ぼくの職場に、今にも泣きそうな顔で来た、あの日のことだよ。
 ほら、君は覚えてる?

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