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君は僕のものだった
第1章 君は僕のものだった
 覚えてるかな。
 ぼくは2度、君を迎えに行ったよね。
 最初は本気だったんだ。
 本気で君を取り返したかった。
 君だけ幸せになるなんて、許せないと思ったんだ。
 でも君はぼくじゃなくてあのヘンタイを選んだ。
 あのときぼくは、すごく腹が立ったし、すごく寂しかったけれど、同時に、ちょっと嬉しかったんだ。
 君がヘンタイを選ぶなら、ぼくは君から解放されて楽になれるんだって、わかったから。
 それに、君もようやくぼくから解放されて楽になるんだって・・・。

 だから2度目は、ぼくをかんぺきに突き放して欲しいと思ったんだ。
 ・・・勝手なもんだよね。
 だからあのとき、君のために貯めてたお金を渡したんだ。
 印鑑とキャッシュカードを手渡し忘れたのは致命的だったけどね。
 今風に言うならてへぺろだよ、まったく。

 あれはね、君がいつか結婚すると決まったら、花嫁道具とかそういうのを準備するために使ってもらおうって思って15歳のときから貯めてたお金だったんだよ。
 君はぼくのことケチな男だって思ってたろうけど仕方なくそうしてたんだ。
 ぼくだって好きであんな古びたださい服で過ごしてたわけじゃないんだよ。
 ぼくは君になにもしてやれないから。
 でも君に対する責任だけは、果たしてやりたかったんだ。


「・・・ねぇ、もうひとつだけ、ほんとのほんとに最後の質問・・・。あのね、これだけはずっと、聞きたかったの」


 あのとき、18歳の君がぼくを突き放してくれて、本当に嬉しかった。
 これでようやくあの女から解放されるって思った。
 ぼくらの連鎖はあのヘンタイが背負ってくれたから、ぼくはね、無責任かも知れないけど、本当は、さっき君が言ったのと同じように、ラッキーだと思ったくらいだったんだ。

 ようやく、ぼくとあの女を繋いでいた君という責任から解放されて、ぼくと君が背負うはずだった連鎖からも解放されて、自由に生きれるって。
 君も幸せになれるって。

 だからあの日、エレベーターのない、3階の、いまぼくらがいるこの部屋のとなりの部屋から、ぼくはいなくなったんだ。
 ぼくに泣いて縋る苦労ばかりだったあの女に頭を下げてさ。


「あのね、これだけは、ほんとうの気持ちで、答えて欲しいの。どうしても、これだけは・・・お願い、ほんとうの気持ちで答えてくれるって、約束してくれる?」
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