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琥珀色に染まるとき
第11章 BETWEEN THE SHEETS

 胸板を押し戻そうとしていた彼女の手が、無意識なのか、わき腹をたどって腰まで下りてきた。それは続けていいということだろうかと、思わずその手を取って前を握らせたくなる。だめだ、止まらなくなるぞ――と自らを制す心とは裏腹に、腰が動く。
 長い口づけの最後に下唇をぷるんと吸って顔を離すと、悩ましく荒い息を吐く彼女と視線が重なった。その表情にどうしようもなく煽られ、もう一度だけ音を立てキスをした。

 シーツの上をずり下がっていき、首筋、鎖骨に舌を這わせる。背中を優しく撫でながらすれば、彼女の口から甘く湿った喘ぎが漏れる。
 邪魔な上掛けを引き剥がし、そのまま胸に下りると、つるつる生地に行く手を阻まれた。支える機能を持たない透けたレースの奥で揺れるふくらみが妙に艶かしい。胸の形がはっきり浮き出るように布を張ると、そこには硬くなった先端が存在を主張していた。

「勃ってるね」
「やっ、いや……」

 可愛い声がして、彼女がそれを隠そうとする。その細い手首を掴み、見上げると、顔を真っ赤にして目をそらす女がいる。

「そんな顔で言われてもな」

 かえって逆効果である。わかっていてわざとやっているならかなりの演技派だが、彼女の場合は素だから余計に男の欲を煽るのだ。自覚のない色気ほど罪なものはない。

 左のふくらみを、薄皮のような布ごと下から持ち上げるように包む。陶器のような白い肌とは違う色をした中心部分を強調するように。

「あっ、だめっ」

 だめならこんなセクシーな格好で寝ないでほしい。そう言いたくなるのは男のエゴだろうかと、心の中で苦笑を漏らす。

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