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琥珀色に染まるとき
第11章 BETWEEN THE SHEETS

 薄い布越しに盛り上がる突起に吸いつき、唾液で濡らしてやると、その存在はますます浮き彫りになった。

「ん、やぁっ……」

 言葉では拒否しながらも艶声をあげる彼女に、頭を撫でまわされ、しまいには胸に押しつけられる。

「どっちだよ」
「だっ、て……あっ」

 しかし、なにをやっているのだろう。まるで覚えたての猿のように、涼子の肌に夢中になり、際限なく疼く身体は疲れを知らない。彼女から変態呼ばわりされても仕方ないと思うと、自ずと嘲笑がこぼれた。

「笑わ、ないで」

 その消え入りそうな声に上を向くと、切なげに眉をひそめる彼女と視線が絡んだ。

「恥ずかしい……」

 震える声に、激しい劣情をかき立てられる。そんな自分を抑えようと彼女の身体にしがみつき、スリップから覗く胸の谷間に鼻先をうずめた。柔らかな弾力に包まれ、心がほぐされていく。

「お前のことが好きすぎて、笑えてきたんだよ」

 “劣情の暴走”と同じ意味の心情を、隠さずに吐露した。

「西嶋さん……」

 不意に、頭を優しく撫でられた。無言で見上げれば、彼女もなにも言わずに見下ろしてくる。好奇心や媚びに染まらない、純粋で真っ直ぐなまなざしで。
 ああ、この目だ――と景仁は思った。
 この黒い瞳に初めて見つめられたあの夜。心底戸惑い、視線が絡むことを極力避けた。

 ほとんど一目惚れに近い感情を抱いた。先に惚れたのは自分だ。
 あの瞬間から、すべては始まっていたのだ。もう、元に戻ることはできない。

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