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琥珀色に染まるとき
第16章 青い薄闇に埋もれて

彼の指が、柔らかなタッチで淫処を行き来する。たまらず彼のシャツを握りしめ、首元に顔をうずめると、男の匂いが鼻をかすめた。彼の匂い――大好きな香りにくらくらする。
さらに身をかがめた彼は、まくれ上がったインナーとブラジャーの下に貪りついてきた。
「あんっ……」
ふくらみの頂に音を立てて吸いつくと、舌で転がす。同時に、骨ばった指が薄いストッキングの上から秘芯をこすり続ける。
ぼやけた視界に映るのは、見慣れたバーカウンターにバックバー。
西嶋が毎夜働くこの場所で、たくさんの客が出入りするこの場所で。閉店後とはいえ、服を着たまま淫らな行為に及ぼうとしている。背徳感のすぐあとから、快感が追いかけてくる。
「だめ……」
胸元に顔をうずめる彼の柔らかい髪を撫でまわしながら、最後の一滴しか残っていない理性を絞り出して抵抗を口にする。
そんな葛藤をよそに、彼は秘芯を押し潰すように指を強く動かし始めた。いまだショーツとストッキングに覆われているそこへの刺激に物足りなさを感じ、腰が勝手に前後する。
「やっ、お願い……」
思わず甘ったるい声でねだると、顔を上げた彼は艶やかに微笑み、そこから手を離した。
「後ろを向いて」
「……っ」
その意図がわからず逡巡していると、そっと肩を掴まれ身体を回された。
これからなにが始まるのか。
不安と期待に胸を締めつけられ、ほのかに青白く照らされる黒い壁に手をつき、涼子はきつく目を閉じた。

