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琥珀色に染まるとき
第17章 青い薄闇に埋もれてⅡ

 景仁は熱い息を吐き出し、あらためて涼子の美しい後ろ姿を上から下まで見つめた。両手でその細いくびれに沿って撫でると、彼女は甘い吐息を漏らす。指を引っかけてストッキングを下ろそうとすれば、あっ、と小さな叫びで抵抗された。

「見ないで……」
「どうして?」

 いつものことだが、そう問い返す。何度も繰り返してきたやりとりで、もう互いに相手の言うことはわかっている。
 涼子が、遠慮がちに振り向いた。

「いつも、じっと見てるでしょ」
「綺麗だから見たいんだよ」
「…………」

 案の定、反論せずに再び壁側を向く彼女。景仁はひっそりと口角を上げ、張りのある肉をぴったりと覆う極薄生地を剥がしにかかった。強引に破るような鬼畜な趣味はないし、極力ゆっくりとした動作は彼女の羞恥と興奮を煽る。

「……っ、ん……」

 徐々にあらわになっていく、艶のあるなめらかな素肌。尻の割れ目をひかえめに隠す小さな黒レースに、白いふくらみのコントラストが映える。丸く柔らかなそれを優しく撫でまわせば、筋肉に力が入り、きゅっと引き締まる。
 太ももを撫でるようにしてストッキングを下げていき、その足元にしゃがむ。左の細い足首にそっと触れてみると、彼女はその意図を理解したようでこちらを見下ろしてきた。

「……汚い、から」
「大丈夫だよ。綺麗だし、別に気にしない」

 彼女が嫌がるのも無理はない。一日中履いていた靴下を脱がされるのは、誰だって歓迎しない。しかし、たとえなんらかの匂いがしたとしても、愛する女のものならかえって性的興奮を誘う材料になり得る。決して口には出さないが。

「涼子」

 優しく促すと、足がおそるおそるパンプスから抜かれた。

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