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琥珀色に染まるとき
第25章 Clayのもとへ還る心

 蜜口に咥えこんだ彼を放さずに脱力していると、涼子、と優しい声がした。なかなか整わない呼吸を繰り返しながら身をよじって振り向けば、笑みを浮かべる彼にこう言われた。

「綺麗だ。綺麗だよ」

 これほど淫らな姿を晒しても、柔らかな笑顔でそんな言葉をかけてくれる。腰から背中、腕や首、そして頬を撫でるその手は慈しみに満ちている。
 意図せず浮かんだ涙をこらえるのに精一杯で、涼子は無言で彼を見つめた。彼は優しく微笑み返す。

「脚を伸ばせるか?」
「……ん」

 立てているひざをのそのそと崩し、彼の股の間に脚を伸ばしてうつ伏せになる。顔の横でシーツを握りしめる白い手に、骨ばった大きな手が重ねられた。汗ばんだ背中に口づけを落とされ肩を震わすと、熱を帯びた広い胸板が覆いかぶさる気配がした。

 再開された、愛の行為。
 きわめてゆっくりと、昇りつめたばかりの涼子を気遣うよう、体重をかけすぎないよう、彼は大きな身体をゆっくりと動かす。たくましい腕に囲われて彼だけの狭い空間に閉じこめられ、耳たぶをなぞる唇と鼓膜を撫でる荒い吐息に征服され、思わずまぶたをきつく結ぶ。

「……っ、ん……ふ……あっ……」
「ああ、涼子……こっちを見てくれ」

 そのかすれ声にそっと目を開け、首をひねれば、霞む視界の端に映ったのは色気のあるしかめ面。動物的で淫らなはずの行為の中で、その真っ直ぐな瞳は純粋な愛を語り、二人の間に甘美な香りさえ漂わせる。底知れぬ海のように深く、濃厚な愛の香りを。

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